新しい検査機器「IOLMaster 700」が導入されました

「IOLMaster 700」はカメラのレンズでも有名なドイツの光学機器メーカーZeiss社の製品で、革新的な新しい技術を取り入れた光干渉式眼軸長測定装置です。 当院ではこの最新の光干渉式眼軸長測定装置を導入し、白内障手術の精度を上げるように努めております。

 光干渉式眼軸長測定装置 とは 眼軸長(角膜頂点から網膜までの長さ)の測定装置です。主に白内障手術の時に使う眼内レンズの度数を決めるために用いる重要な装置です。眼軸長の測定誤差は白内障術後における屈折誤差(見え方の誤差)に影響する要因の1つです。よって、術後屈折誤差を減少させるためにも、眼軸長の測定精度を向上させることが重要なのです。

 従来の超音波A-mode法による眼軸長測定は、接触式で点眼麻酔が必要であり、測定値のばらつき、眼球圧迫による測定誤差などの問題点がありましたが、光学式眼軸長測定装置では、非接触型のためこれらの問題点が改善され、また高精度な測定機能が注目されています。

 IOLMaster 700 は更に進化した最新の光干渉式眼軸長測定装置で、 より高い精度で測定することができます。従来の装置では角膜全体の屈折率を角膜前面のみ測定し、そこから標準的な眼の蓄積データから導き出された推測値を用いて角膜全屈折率を算出していました。しかしながら、この方法では角膜異常眼や、外れ値には対応できず、予期せぬ術後屈折誤差が生じることがあります。IOLMaster 700は、新技術により角膜後面の屈折力も直接測定できるのでより高い精度で角膜全屈折率を算出できるようになりました。これにより、 白内障術後における屈折誤差(見え方の誤差) を減らすことができるのです。

※ 一部の進行した白内障の目では光干渉式眼軸長測定装置で測定できない為、超音波A-mode法による眼軸長測定を行っております。