麦粒腫(ものもらい)

概要

 眼瞼(まぶた)の縁や内側の腺組織に、細菌感染から起こる化膿性の炎症で、俗に「ものもらい」「めばちこ」とも呼ばれます。眼瞼は、皮膚が薄く、細い血管網が発達しているため、いろいろな病気で腫れたり外見上の変化がみられます。

 ものもらい症状を多く発症する方の傾向としてコンタクトレンズの使用者が急増している点があげられます。コンタクトレンズは目に直接あたるものですから、不衛生な手で触れるだけでも細菌感染を起こす可能性があります。

また、対処が遅れると細菌が増殖を繰りかえし、痛みを伴う化膿性炎症などを引き起こしかねません。プールや海水浴のシーズンなどは、特に注意したい目の疾患のひとつです。

症状

 まばたきをすると痛い、まぶたを上げにくい、眼瞼が赤く腫れる、触ると痛い、腫れの中心に膿(うみ)による白い点ができるなどの症状があります。

 眼瞼の病変が強いと、内側に接する角膜に障害を及ぼしたり、病変の原因に全身病が隠されているものもあるので、注意が必要です。

診断

 細隙顕微鏡等で観察して診断します。

治療

 ブドウ球菌感染が多いので、抗生物質の点眼や、重症時は抗生物質の内服で治療します。白い膿点ができた時は、針で突いて膿を出すと痛みがやわらぎます。軽度のものでは、これらの治療で基本的に1~2週間程度で症状は回復し、元通りのまぶたに戻ります。