カメラのレンズでも有名なZEISS社のOCT(光干渉断層計)
CIRRUS HD-OCT plusを導入しました。
この新しいOCTには「Angiography」(Angio=血管と言う意味)と言う血管描出装置が組込まれています。
網膜の病気の進行は、網膜血管系の変化にともなうことが多いのですが、今までは網膜の毛細血管を観るために、蛍光眼底撮影という造影剤を静脈注射して観察する方法が一般的でした。HD-OCT plusはわずか数秒のOCTスキャンで、網膜血管内の動くものをキャッチして毛細血管、血流を描出するという画期的な装置です。非侵襲的な検査なので、造影剤による副作用等の心配が要りません。(ただし、OCTでは撮影できず、蛍光眼底撮影にしか撮影できない所見もあります)
MRIで脳血管を映し出すのと似ています。
大変高価な検査機器ですが、これにより加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、網膜中心静脈閉塞症などの疾患を安全で効率的に微小な進行の早期発見と管理が可能となります。
未知の検査分野ですので、色々と興味深い知見が得られると期待しています。