翼状片

概要

翼状片とは、結膜(白目の表面を覆っている半透明の粘膜)が、角膜(黒目)に三角形状に入り込んでくる病気です。鏡で自分の目をみれば一目瞭然なので、「白目の一部が黒目に伸びてきた」というような症状で受診される人がほとんどです。しばしば両目に起こります。原因は不明ですが、高齢者に多く病気の発生には紫外線が関係しているといわれています。
症状
初期の自覚症状としては充血や異物感などがあります。進行してくると乱視が強くなったり、視界が遮られて視力が低下します。見えづらくなる(翼状片が角膜の中心に来る)前に、治療(手術)することをお勧めします。

診断

翼状片の診断は細隙灯顕微鏡で、拡大して診るこで判断します。

素人が肉眼で見ても、明らかに大きいものは分かりますが、中には類似疾患(偽翼状片や結膜悪性腫瘍など)もありますので、翼状片と決め付けて放置せず、一度眼科を受診することをお勧めします。

※ 偽翼状片
目の外傷・熱傷・化学眼外傷・角膜潰瘍などの回復過程で、翼状片に似た病状が出現することがあります。これを偽翼状片と呼びます。治療は翼状片に準じて行われます。

治療

1)点眼薬

翼状片自体は悪性の組織ではなく、症状がなければ放置しても問題はないのですが、充血や異物感が強くなってくれば点眼などの治療を行います。

 2)手術

根本治療には手術が必要です。また、翼状片が瞳の近くまで伸びてくると乱視が発生して見えにくくなるため、この場合も手術が必要となります。ただし、手術を行っても再発することが多く、この傾向は年が若いほど顕著です。